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階梯と車輪 18

2011.11.25【 第二部「階梯と車輪」

  彼はうつむいていた。こちらを見なかった。握りこむには反応がなさすぎた。かといって手をはなしたほうがいいとも思えない。けれど、ほとんど添わせるだけに留めたじぶんの掌に、うっすらと汗をかいている現象が煩わしい。彼の手は、乾いていた。そしてとても冷たいままだ。 「……あなたの時間を奪うようなことしたくなかったし、あなたに、甘えたくないと思ってたから」 搾り出すような声を耳にして、わたしは項垂れたままの彼...全文を読む

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階梯と車輪 17

2011.11.18【 第二部「階梯と車輪」

  彼が視線をもどす。麦茶を啜るわたしの顔を凝視する。いまにも溺れそうなひとの目をしていた。縋りつかれたほうが話は早いと感じて可笑しくなった。また、そんな理由で「夢使い」の研究を始めてしまう男がいる事実に驚いていた。わたしがそれで彼をどう思うのか考えたことがないのだろうか。「あなたがたは」 わたしはそこで言葉をとめた。複数形にして、事を曖昧にするのは好かなかった。「あなたは、それで何かしら問題が解決...全文を読む

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階梯と車輪 16

2011.11.11【 第二部「階梯と車輪」

  外観は凄まじかったが、なかは思いのほか清潔で、なによりも広かった。板敷きの廊下に畳部屋なのも予想外で、彼ならその容貌に似てテレビドラマの主人公のような部屋に住んでいると思っていた。そう口にすると、「ああ、おれ、ああいうモデルルームみたいな何もない部屋は無理です。山ほど本があるし、服とか色々物持ちなんで」 そんなわけで自転車は玄関の内側に置かれた。わたしは靴を脱いで、山ほどの山が本当に山なことを知...全文を読む

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階梯と車輪 15

2011.11.04【 第二部「階梯と車輪」

  わたしより早くあがった彼はいったん大学へ戻り、こちらの勤務時間の終わるころに帰ってきた。鞄がやけに重そうで尋ねると、中身は古文書だという。洋書を手にしていた記憶はあるが古文書とは意外な気がした。つまりそれこそが会合に関係するのだろう。 そうして並んで歩きはじめ、何から話すべきかと思い悩む。いつもは饒舌な彼の口も重く、ふたりして無言のまま道をいく。告白される前はこうではなかったはずだ。彼の好きな映...全文を読む

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磯崎愛

Author:磯崎愛
「おはなし」を食べて生きてます。たぶん(笑)。

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