更新履歴

さわりを読むをクリックすると更新された内容の冒頭部分がご覧になれますので、久しぶりのご訪問の方はこちらで未読・既読のご確認ができます
    日付別の更新チェックはカレンダーの日付をクリック ▼
2012 07123456789101112131415161718192021222324252627282930312012 09

【  2012年08月  】 

◆前月     ◆2012年08月       ◆翌月

視界樹の枝先を揺らす 7

2012.08.31【 視界樹の枝先を揺らす

  そしてふと気づいた。視界の静寂の兆しを。風はあった。葉のそよぎも。だがそれらが撓むようにして凝り静止した。背後にあるはずの幾つもの靴音、話し声、そうしたものどもをたぐりよせようと抵抗したが無駄だった。 きみはわたしを恐れなかった。わたしがひとを殺すことをなんとも思っていないのに。 頤をあげてまっすぐにこちらをみていた。 己は知っていた。そして恐れた。正直にそう口にしたとたん、あの男はわらった。 ...全文を読む

▲PageTop

視界樹の枝先を揺らす 6

2012.08.24【 視界樹の枝先を揺らす

  あれは七月のことだった。短い梅雨に水不足が懸念され猛暑らしい日差しが照りつけていた。にもかかわらず呼び出しは常に戸外でその不満を漏らしていたころだ。 会話を盗み聞きされたくないのだとは察していた。己たちは夢使いのはなしばかりした。その歴史や伎について互いの知識と経験を共有した。それらを附きあわせてみると夢使いを一概に流浪の民とするのは実情に合わないことや得意分野に地域差がある様相があらわになった...全文を読む

▲PageTop

視界樹の枝先を揺らす 5

2012.08.17【 視界樹の枝先を揺らす

  あの男と一緒に過ごした日々を鮮烈に覚えている。そう記して己は首をかたむけた。よくよく思い出してみなくとも一緒にいたのはたいして長い時間ではなかった。はたして若かったからだろうか。昨日のことのようにとまでいうと大袈裟だが、少なくとも何事もぼんやりとした輪郭をまとうほど鈍くなった近頃とはやはり違った。 ごくたまに呼び出しの場に当の相手の姿のないことがあった。そういうときは置き去りにされた取り巻きども...全文を読む

▲PageTop

視界樹の枝先を揺らす 4

2012.08.10【 視界樹の枝先を揺らす

  随分と浅ましいことを書いた。だが恐らく己の弟子はこうした件は教えられまい。魘をあれほど見事に扱いながら溺れない。強靭なのだ。あの剛胆さゆえに魘を恐れずに触れることができる。おそれれば捕りこまれる。彼はそれをよく知悉している。 夢使いは碌な死に方をしないといわれるがそのとおり爺の祖父は魘に囚われて狂死した。遡ればまだいるだろう。爺はそれを恐れていた。一夜限りの関係を好んだのもきっとそのせいだ。 弟...全文を読む

▲PageTop

視界樹の枝先を揺らす 3

2012.08.03【 視界樹の枝先を揺らす

  妙な縁というものがある。 むかし戯れに弟子にはなした。己の爺に並ぶほどの夢使いが北の地にいると。それがあの男だ。都会と違い地方には夢見の儀式が多く残っている。なかでも北は格別に、それゆえに優れた夢使いを輩出する。そんなはなしをしたときのことだった。 あの男は北の出身ではないが、経緯はどうあれ結果的にはあの土地に望まれたのだと考えている。 弟子の恋人にあの男のはなしをしたことはない。だが双方それと...全文を読む

▲PageTop

◆前月     ◆2012年08月       ◆翌月

Menu

プロフィール

Author:磯崎愛
「おはなし」を食べて生きてます。たぶん(笑)。

最新記事

カテゴリ

花 (3)
蒼 (4)
雫 (3)
音 (3)
線 (9)
* (1)

プロフィール

Author:磯崎愛
「おはなし」を食べて生きてます。たぶん(笑)。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR