更新履歴

さわりを読むをクリックすると更新された内容の冒頭部分がご覧になれますので、久しぶりのご訪問の方はこちらで未読・既読のご確認ができます
    日付別の更新チェックはカレンダーの日付をクリック ▼
2013 04123456789101112131415161718192021222324252627282930312013 06

【  2013年05月  】 

◆前月     ◆2013年05月       ◆翌月

夢うつつ夢うつつ 28

2013.05.31【 夢うつつ夢うつつ

  玄関の開く音がした。俺は飛び起きた。もしや彼がもどってきたのかもしれないと。 むろんそんなことはなかった。そこに、弟子と教授が立っていた。よれよれのパジャマ姿をさらした俺にも弟子はきちんとお辞儀をした。それからいつもの調子でいった。「先生、アーモンドの花が満開だよ!」 もう三月も末なのだと身体が思い出した。毎年彼と花見に行っていた。弟子はそれを知っているし、何もかもをわかったうえで何も聞かず、ま...全文を読む

▲PageTop

夢うつつ夢うつつ 27

2013.05.24【 夢うつつ夢うつつ

  あの日からの記憶がない。毎日なにをして過ごしているのかがわからない。ただ、あがないだけが意識と肉体を目覚めさせ、依頼人からの連絡がようやく背骨の抜けた肉の塊を人間らしく立たせている。 葬儀の連絡は依頼人の会社からいただいた。斎場で例の御婦人に再会した。あのあと一度だけ話したと教えてくれた。あなたの齎(もたら)してくれた香音について長いながい夏休みをもらったみたいだってわらってたわ。そう呟いてから...全文を読む

▲PageTop

夢うつつ夢うつつ 26

2013.05.17【 夢うつつ夢うつつ

  忙しいのにわざわざ見送りに来なくても、と吹きさらしのホームで縮こまる教授を見おろすと、誰のせいで忙しいんですか、と眉を逆立てられた。おれはすみませんと殊勝に謝った。内心では、どうせひと月もしないで顔を合わせるのにと閉口していたが、教授がいてくれて有り難くもあった。彼の弟子がいきなり来たので気づまりだった。ちょうど今、温かいものを買いに行ってくれている。「彼は、見送りに来ないんですか」 教授がわざ...全文を読む

▲PageTop

夢うつつ夢うつつ 25

2013.05.10【 夢うつつ夢うつつ

  あなたはじぶんの声に愕(おどろ)いて息をのんだ。それから信じられないといった顔つきで口をおさえた。けれどもう、言葉は取り返せない。おれはそれを耳にしたし、あなたはあなたでそれを激しく悔やんでいた。 あなたはたぶん、今のは忘れてくれと言おうとしたのだと思う。でなければ、何か謝罪の言葉を口にしようとしたのだろう。それはでも、慟哭に紛れてこの耳に届かなかった。 おれは、あなたの前に片膝をついた。 あな...全文を読む

▲PageTop

夢うつつ夢うつつ 24

2013.05.03【 夢うつつ夢うつつ

  遅くなるという言葉どおり零時をすぎて帰宅した。俺は起きていた。酔って帰ってきた後は苦いコーヒーを飲みたがったので好きな銘柄を買ってきた。彼はそれを補充していなかった。 お帰りと出迎えたあと栄転おめでとうと言い添えた。ついで、すぐにそれを口に出来なかった気の利かなさと手をあげたことを詫びた。彼は黙って靴を脱ぎ、コートと上着をかけた。それでも話しを聞いていないようではなかった。無視されてはいないと安...全文を読む

▲PageTop

◆前月     ◆2013年05月       ◆翌月

Menu

プロフィール

磯崎愛

Author:磯崎愛
「おはなし」を食べて生きてます。たぶん(笑)。

最新記事

カテゴリ

花 (3)
蒼 (4)
雫 (3)
音 (3)
線 (9)
* (1)

プロフィール

磯崎愛

Author:磯崎愛
「おはなし」を食べて生きてます。たぶん(笑)。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR